トレーニング講座vol.9【心肺機能への道のり】

 先日、担当させて頂いているサッカー部の東京都新人戦地区大会のサポートに行って来ました。
このチームの目標は、都大会出場です。結果は、勝利を収めてくれました。

今回のレッスンはこれまでの流れから少し脱線しますが、フィジカルトレーナーとしてこの試合観戦を通じて感じた事を書かせて頂きます。
今回、試合を見ていて最も強く感じたのは

「 息が切れてきた、筋肉が張ってきた、関節が痛いなどの、身体的苦痛があるときは、試合の状況判断に悪影響を及ぼす。」

という事です。

サッカーは、敵・味方の状況、全体の流れ、監督からの指示等、一瞬たりとも状況判断の気を緩める事は出来ないスポーツです。
その気を散漫にさせる大きな原因の一つが、身体的苦痛です。
身体的苦痛は、苦痛そのものに意識が奪われてしまい、周囲の状況を判断する余裕と集中力を奪ってしまいます。その様に考えると、心肺機能の能力の高低が実際のプレーはもちろん、状況判断にも大きな影響を与える事が分かります。

 では、大切な心肺機能ですが、本当に心肺を鍛えられているのでしょうか。
「心臓や肺は大丈夫なんだけど、前ももやふくらはぎが張って来て走れない」
という人は居ませんか??
ほとんどの選手が、心肺を鍛える手前で非合理的なランニングフォーム等により筋肉の疲労や張りを早期に招き、運動を継続する事が不可能になっているのが実態です。

これではいつまで経っても心肺機能を鍛えることは出来ません。

心肺機能の代表格とも言えるマラソンや長距離のトップ選手になればなる程、的確に心肺に刺激を入れる難しさを知っています。

心肺機能を高めるには筋肉がどこも張らない、もしくは張りづらいランニングフォームを身に着ける事が最重要です。

その為には、レッスンで繰り返し述べてきた様な、重心位置が高く前方に置かれた身体バランスをトレーニングによって身につける事が一つの方向性となります。

先ずは、疲労した時に出てくる、がに股着地や姿勢の崩れを防ぐ事です。
疲労時に起こるこれらの動作は、静止や休憩の為の身体バランスなので一旦この体の声に従ってしまうと思い通りの動きをする事が難しくなります。

試合終了まで、メンタルで乗り切るのも大切ですが、具体的な動作によって身体的な苦しさに向き合う知恵を持っているか、いないかでは試合中に発揮出来るトータルな力で大きな差になってくるでしょう。

心肺機能を高める為のポイントは、まだまだたくさんあります。
レッスンの進行に合わせてお伝えしていきたいと思います。

ブルワーカー2011