工作機械受注5.4%減 4〜9月、中国向け伸び鈍化

日本工作機械工業会(東京・港)が17日、発表した2012年度上半期(4〜9月)の工作機械受注額は前年同期比5.4%減の6302億2500万円だった。2半期連続のマイナスとなった。世界景気の減速や円高で外需が振るわず、国内の落ち込みを補えなかった。10〜12月の受注環境も厳しい見通しで、回復は13年1月以降になりそうだ。



 受注額の7割を占める外需が3.3%減の4355億9400万円と2半期連続でマイナスだった。米国は自動車向けを中心に堅調で7%増だったが、欧州が31.8%減と大きく落ち込んだ。11年度上半期に28.6%増と大きく伸びた中国も12年度上半期は2.7%増にとどまり、景気減速に伴う工作機械市場の成長鈍化が鮮明になった。ハンディーチェーンソー正規品

 国内は10%減で2半期連続のマイナスだった。国内受注額の3割を占める自動車向けなどが減少。円高で工作機械を使う製造業の生産拠点が海外に移転していることも影響した。

 下半期も国内外ともに受注環境は厳しい。同工業会の横山元彦会長(ジェイテクト会長)は「世界的な景気の減速や円高で(今後の受注環境は)不透明感が強まっている」と指摘する。建機向けなどは低調が続いており、10月以降は(好不調の目安となる月間受注額で)1000億円を達成できない月も出そうだ。

 横山会長は「中国で鉄道などインフラ向けの需要がそろそろ出てくる」とみる。牧野二郎副会長(牧野フライス製作所社長)も「国内の自動車向けなどは厳しいが、北米の設備投資が堅調。欧州もこれ以上は悪くならない」と指摘。下半期の後半に受注が回復することを期待している。