TPP、割れる現職

衆院は16日、解散され、選挙戦(12月4日公示、16日投開票)に事実上入る。秋田3区に立候補する意向を固めた保守系新顔を含め、県内3小選挙区の立候補予定者は計13人。有権者の関心が高い争点に対して各党が公約を掲げる、激しい論戦になりそうだ。

◇8国会議員が見解

 野田佳彦首相が民主党衆院選マニフェストに盛り込む方針の環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉参加の是非をめぐり、県関係現職国会議員8人の意見が割れている。県内農業団体の反対要請を受けた席で8人が15日、見解を明らかにした。争点の一つとされ、団体の支援や県内農業票に影響するとみられるだけに、注目される。

 8人は寺田学、川口博衆院議員、松浦大悟参院議員の民主党3人、金田勝年衆院議員、石井浩郎参院議員の自民党2人、京野公子高松和夫衆院議員の「国民の生活が第一」2人、寺田典城みんなの党参院議員。

 木村一男JA秋田中央会長や県内15JA代表理事組合長ら約30人がこの日、東京・永田町の参議院議員会館で8人に面会。交渉参加に反対するよう要請した。

 木村会長は「本当のことを話してもらい、総選挙の判断材料にしたい」と切り出したが、閣内で首相補佐官を務める民主の寺田氏は、交渉そのものへの参加は必要だと説明。「議論を通じて、国益を最大限にすることを模索すべきだ」と述べた。実際にTPPに参加するか否かは、参加交渉後の判断になるという。

 これに対し、川口氏は「外国の力は大きく、無防備で参加するわけにはいかない。慎重に、適切に、農家の目線で対応したい」とした。松浦氏も「今の状況では賛成できない。外圧ではなく、自分たちの頭を使って農業を再生しなければならない」と述べた。

 一方、野党議員は反対が大勢を占めた。

 自民の金田氏は「情報や国民への説明が不足しており、交渉に前のめりになる理由はない」と主張。石井氏も「国の形を変えてしまう可能性がある協定なのに、分からないことだらけだ」と政府の姿勢を批判した。

 生活の京野、高松両氏も「対策を講じれば何とかなる協定ではない」「米国や豪州などとは太刀打ちできない」とそれぞれ述べ、反対の姿勢を明確にした。

 みんなの寺田氏は「TPPに反対すれば農業が守れるわけではない。可能性は追求しないといけない」とした。入れ歯クリーナー クリーンパワー

 JAグループは今後、衆院選の候補者から推薦依頼を受け、協議を開始する。今月末までには、支援する候補を決める予定だ。

 木村会長らはこの後、全国農業協同組合中央会(JA全中)などが主催して都内で開いたTPP反対集会に参加した。(岡田昇)